分断されたシステムの統一
訪問看護では記録の電子化が進んでいた一方で、訪問介護で長期間にわたり紙での記録が続き、施設全体での情報共有がスムーズに行えないという課題がありました。
特定事業所加算の取得を目指して導入した記録ソフトでも、介護と看護でシステムが分かれていたため、利用者データの一元管理が難しい状況でした。
これらの課題を解決するために、2024年にCare-wingを導入し、情報共有の効率化に取り組みました。新しいシステム導入時には、特に現場からの抵抗感がありましたが、今回は2回目の移行ということもあり、比較的スムーズに進められました。また、現場の反発を最小限に抑えるため、職員との信頼関係を重視し、丁寧な説明を心掛けたのも成功の要因です。
スムーズな定着を支えた3つのポイント
1.スマホ操作の慣れ
もともと職員全員にスマートフォンが支給されており、LINE WorkやGoogle
Workspaceなどのツールを日常的に使用していたため、スマホ操作に慣れている職員が多かったことが大きな助けとなりました。
Care-wingもスマホ中心で操作でき、記録の入力やコードの読み取りが簡単だったため、スムーズに順応できました。
2.個別レクチャーの実施
施設では職員一人ひとりに対して個別レクチャーを行い、質問しやすい環境を整備しました。職員数が約100名と無理のない規模感で、フォロー担当は2名でしたが、丁寧なフォロー体制を構築したことで、定着がスムーズに進みました。導入後もウェブ会議などで分からないことを気軽に相談できる関係性が築けています。
3.現場協力者の存在
システム導入にあたり、現場に協力者を得たことが成功のカギでした。システムのメリットを丁寧に説明し、興味を持った職員を巻き込むことで、現場目線での活用方法を相談しながら進められました。
現場との連携が、導入を円滑に進める土台となりました。
導入を通じて得たもの
今回の導入を通じて、施設では「現場での協力者を得ること」と「職員が無理なく取り組める環境を整えること」の重要性を再確認しました。どれだけ優れたシステムであっても、現場で価値を十分に発揮できなければ効率化には繋がりません。
現在、施設ではAppSheetを活用した業務アプリの開発にも取組み、法人や現場のニーズに応えるさらなる効率化を進めています。




