ソリューションマップ case16

「温もり」と「効率」の両立を目指して

ミストシャワー浴がもたらす新たな入浴体験

神奈川県三浦郡特別養護老人ホーム

インタビュー協力者：施設介護事業部部長（生活指導員）

Q1.ミストシャワー浴を導入するきっかけは何でしたか？

利用者様の介護度が上がってきたことで、従来の一般浴が難しくなったことがきっかけでした。本当は中間浴を導入したかったのですが、コスト面で難しく、代理店に相談した上で提案された中でミストシャワー浴が良いと考え、検討を始めました。最終的には酒井医療機器の「アラエル」を導入することに決めました。

Q2.現場の意見や反応はいかがでしたか？

導入当初は、職員間にミストシャワー浴に対する違和感や抵抗感がありました。しかし、デモ機を借りて実際に体験してもらったことで「思っていたより温まるね」「使い方も難しくないし」といった前向きな意見が増えていきました。一週間ほど借り、自由に使える機会を設けられたことで、ほぼ全ての職員が使用し、意識が変わった状態で導入を進められました。

Q3.導入後の具体的な効果について教えてください

湯量の削減と利用者様の満足度向上という大きな効果がありました。以前までは湯量がすぐに減ってしまい、シャワーが出にくくなる問題がありました。ミストシャワー浴ではその問題がほとんどありません。また、利用者様からは「温まって気持ちいい」という感想がほとんどで、中には「素敵なお風呂で幸せ」といってくださる方もいらっしゃいました。加えて、浴室がミストシャワー浴の湯気で非常に温まるので、冬場の着替えなどが寒くなくなったという、思わぬ視点からのメリットも職員から報告されています。

Q4.課題や改善点はありますか？

一番の課題はボディソープの消費量が増えたことです。「中に入るとボディソープが噴霧されて身体を洗わなくても入浴ができる」というアラエルの一番の特徴を活かすには、ボディソープを多く使用する必要があり、コストが従来の2.5倍程度かかってしまいました。そのため、現在は外で身体を洗ってからミストシャワー浴に入る運用に変更したため、本来であれば入浴時間を5～10分程度に短縮できたのかもしれないですが、今までと変わらず脱衣を含め10～15分程度の入浴時間のままになっています。

Q5.安全面での効果について教えてください。

移乗工程が減り、事故のリスクが大幅に軽減しました。これまでは車椅子から浴室用ストレッチャー、さらに浴槽への移乗と２段階の工程がありましたが、ミストシャワー浴では１工程削減できるため、安全面では格段に事故が減ったと職員からも報告されています。

Q6.今後の目標について教えてください

ミストシャワー浴を導入してから本当に利点ばかりです。ただし、入浴時間の短縮やコスト面では若干の課題が残っているので、ボディソープの消費量を抑えつつ、利用者様が快適に入浴できる環境を維持したいと考えています。
また、ミストシャワー浴の特性を活かして、安全性をさらに向上させながら、生産性の向上につなげたいです。