Q1.施設が抱える最大の課題は何だと考えますか?
北海道の過疎地域にある老健施設では、人材確保と定着が長年の課題であり特に看護師の採用が非常に困難となっております。平成9年の開設当初は周りに施設も少なかったため比較的順調に確保できました。しかし、地域内の施設数が増加するにつれて、看護師がさまざまな施設へ分散し、状況が厳しくなりました。さらに、近年では介護職員の新規採用もほとんどゼロの状態が続いています。地元高校からの採用も数年前までは実績がありましたが、少子化により進学希望者が増えたことで就職希望者が激減しています。このため、派遣社員や人材紹介会社を利用せざるを得ない状況となっています。
Q2.人材確保のために何か取組みをされていますか?
北海道が推進する「働きやすい介護現場認証制度」をいち早く導入し、ICT化や介護ロボットの導入を進めています。施設全体にWi-Fi環境を整備し、電子カルテや見守りロボット「A.I viewlife」を全床導入しました。ICT化を通じて職員の働きやすさを向上させるだけでなく、地域の新聞や北海道新聞で取り上げられたことにより一定の応募者が来てくれたという成果もありました。この経験から、積極的に施設の取組みを外部にアピールすることが大切だと改めて感じています。
Q3.職員定着の観点で何か取り組まれていることはありますか?
職員の負担軽減に焦点を当てた施策を進めています。具体的には、見守りカメラシステムを導入し、職員がスマホやタブレットでリアルタイムに居室の状況を把握できる環境を整えました。当初は、当施設が全室個室の75床あるため転倒や転落事故が多発し、骨折などの重大事故が発生した場合には北海道に報告が必要でした。このような状況で、どう対応すべきか悩んでいた時に見守りシステムの存在を知り、導入を進めました。その結果、職員の負担軽減という大きな効果を得ることができました。特に夜勤帯では職員が少なく、以前使用していたマットセンサーでは70メートル以上離れた場所に移動する必要がありましたが、見守りカメラの導入により手元で状況を確認し、対応の要否を判断できるようになりました。










