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見守り機器を活用する施設
- 人の目と技術の両立 -
導入のきっかけと施設長の変化
こちらの施設長が見守り機器に対する考え方を変えたのは、神奈川県の立ち上げを支援した別の施設で、施設の形状や夜勤体制といった現実的な課題から全床導入された現場に携わった経験がきっかけでした。当初は機器導入に懐疑的だった施設長も、運用の成果や職員を通じて、その有効性を認めるようになったと語ります。
施設長:「 最初は、『え!?』と思いました。でも、建物の形状や夜勤体制を考えると、導入し ないと難しい状況であることも理解できました。また、実際に導入後には他の施設と比べても圧倒的に事故件数が少ないですし、職員にアンケートを取ったところ、『もう見守りがないと働けません!』という声も聞かれるようになったんです。」
記載の通り、導入効果は統計的なデータでもしっかりと裏付けられています。120床の施設で、転倒による骨折などの事故が圧倒的に少ないことから、ICT機器導入の正当性を示すデータになりました。
運営上の課題と未来への展望
現在こちらの施設では、マット型見守りセンサー“aams”を全床に導入され、オプションセンサーも7~8割の利用者様に使用されています。しかし、導入後の運用には課題も残されています。施設長は現在の運用状況について、次のように述べています。
施設長:「見守り機器の有効性は理解できました。ただし、こういった機器は通知が鳴っても“行かない”という選択を取ることもできますし、そもそも日々鳴る通知にも耐性がついてしまう可能性もあります。通知の鳴り過ぎなどを考慮して、導入9ヵ月目ですが必要な方を精査しながら運用を進めています。」
また、ICT機器の導入が進む中で、ネットワーク整備や運用を支える基盤づくりの必要性も感じられていました。
施設長:「見守り機器に限らず、業界全体で導入が進んでいるICT機器のほとんどがネットワーク環境を必要とします。今使用している“aams”も施設のWi-Fiと繋げて使用していますが、施設のWi-Fi環境も常に完璧というわけではないので、将来的には施設内にネットワークを専門で管理するスタッフも必要になるでしょう。」










