生産性向上推進体制加算について

令和6年度改定では、「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」が
ポイントとなっております!
ここでは大注目の「生産性向上推進体制加算」について、算定の要件やポイントなどについて解説していきます!

生産性向上推進加算とは?

「生産性向上推進体制加算」とは令和6年改正で新設された制度です。
この制度は、介護現場の生産性を向上させるために、介護ロボットやICT等のテクノロジーを導入し活用することで、
利用者様の安全及び職員様の負担軽減を実現しながら質の高いケアを提供することを目的としています。

また、サービスの質の確保と職員様の負担軽減に資する方策を検討し、それらを実施することを評価する加算となっております。
一定期間ごとに、業務改善の取組による効果を示すデータの提供を行うことや委員会に設置も義務付けられています。

対象サービス
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)
  • ショートステイ(短期入所生活介護/短期入所療養介護)
  • 小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護
それぞれ予防・地域密着型サービスも対象です!
泊まりを伴うサービスが対象だと覚えましょう!

(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

比較

(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定することはできません。また、従来より生産性向上に関する取組を行っている施設においては、
(Ⅱ)のデータによる業務改善の取組による成果と同等以上のデータを示すことが可能な場合には、すぐ(Ⅰ)を取得することも可能です。
※(Ⅰ)を算定するためには、生産性向上の取り組みを3か月以上継続し、(Ⅰ)に必要な成果が確認されていることが条件です。
その期間中は(Ⅱ)を算定することが可能です。

提出データについて

提出データ

※No.2・3の提出対象となる一部職員(Ⅱ)は、「介護機器の導入を行ったフロア等に勤務する職員」が対象となります。
※No.5の提出対象となる一部職員は、「日中/夜勤の時間帯それぞれ複数人」が調査対象となります。

見守り機器等の
テクノロジー活用について

(Ⅱ)では①~③のテクノロジーのうち、1つ以上を導入する必要があり、より上位加算である(Ⅰ)では、①~③全てのテクノロジーを導入する必要があります。

①見守り機器

(Ⅰ)を算定するには、全ての居室に見守り機器を導入する必要があります。(利用者様を個別に見守ることが可能な状態であること)
例えば、センサーマットやカメラ型見守り、赤外線センサーなどの機器を指します。

利用者がベッドから離れようとしている状態または離れたことを感知できるセンサーであり、当該センサーから得られた情報を
外部通信機能により職員に通報できる利用者の見守りに資する機器をいう。
なお、見守り機器を居室に設置する際には、利用者のプライバシーに配慮する観点から、 利用者または家族等に必要な説明を行い、
同意を得ることとし、機器の運用については、当該利用者又は家族等の意向に応じ、機器の使用を英紙するなどの運用は認められる。

②インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器

②を導入し(Ⅱ)の加算を算定する場合には、同一時間帯に勤務する全ての介護職員が使用する必要があります。

インカム(マイクロホンが取り付けられたイヤホンをいう。)等の職員間の連絡調整の迅速化に資する
ICT機器 (ビジネス用のチャットツール活用のによる職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器も含む。)

③介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器

最近ではスマホやタブレットを使って、その場からリアルタイムに記録ができるシステムを導入する事業所が増えています。

介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率に資する
ICT機器 (複数の機器の連携を含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)

介護施設に必要な
Wi-Fi環境について

生産性向上加算のテクノロジーを導入するためには、「盤石なWi-Fi・ネットワーク環境」が必要不可欠です!
ネットワークの構築が不十分だと、利用者様の命に係わるような大変な事故につながる可能性があります。

不安定なネットワークになってしまうケース

共用スペースではタブレット面会できるのに、居室に入ると画面が固まって動かなくなってしまう。

反対側のフロアの利用者様が転倒したと連絡があり、スマホで話をしながら駆けつける途中で会話が途切れてしまう。

無計画なネットワーク構築を行ったケース

コロナ禍のオンライン面談で使用するために、補助金でネットワーク環境を構築。
いざインカムや見守り機器を導入しようとしたが、無線アクセスポイントの追加工事が必要になった。

前回補助金でとりあえず、Wi-Fi環境構築とタブレットの購入をしたが、次の補助金で見守りセンサーの導入をしたところ
IPアドレスが足りないと言われ追加で工事が必要になった。

ネットワーク情報が管理されていなかったケース

見守り機器を導入したところ、繋がらないところが数か所あり業者さんに調べてもらったところ、
「他で使用しているIPアドレスと重複している。調べたいので一覧表を欲しい。」と言われたが作成していなかった。

ネットワーク・介護記録システム・見守り機器を別々の業者さんから導入
各メーカーに問い合わせをいれても回答を得られず、たらい回しにされてしまう。かなりの時間を取られ、他の業務に支障が生じた。

介護施設を熟知した工事パートナーへ
相談しましょう!

「いつもの業者さんに依頼」で大丈夫?

「理想のICT化」にするためには設計図が必要です。その業者さんは将来的な介護施設運営の姿が見えていますか?
素早く綺麗に作業はやってくれるかもしれませんが、「介護・福祉のICT化の先を見据えることができるか?」というと、
将来に渡って活用できるネットワーク構築を作れる可能性は低いです。

業者さんには見えない「無線」が見えていますか?

「配線工事に必要な知識・能力」と「無線環境を構築する場合に必要な知識・能力」は全く異なります。
電話工事や有線LAN工事(ちょっとした無線)をお願いしていた実績があっても、ナースコールや見守り機器を
安全に稼働させるために 必要な知識を有していない業者さんが多いのも事実です。
将来的には多くの機器(見守り IOTやスマホ等)が同時に稼働します。この想定は一般的なネットワーク事業者では想像できません。

どんなに「オフィスの無線化実績はありますから!」と言っていても、前述の通り、
一般企業のオフィスと福祉施設内のネットワーク環境に 求められる性能や能力は大きく異なります。
その業者さんは「未来の介護・福祉のICT化」が想像できていますか?